
2023年3月、4月、5月、6月、7月に観た映画の感想
今年は月イチで観た映画の感想をやるやつをやろうと思っていたのですが、すっかり忘れていたので久しぶりにやります。もはや月イチどころか半期になっているが、気にしない。
過去の分はこちら
劇場で観たものだけ…
バビロン
3時間くらいある映画で長いんだろうな〜って思ってたんだけど、最初の30分で惹きつけられて最高だった。長いけど飽きずに見られる。どの役者も素晴らしすぎるけれど、やっぱマーゴットロビー凄すぎる映画。
エブリシング・エブリウェア・オール・アト・ワンス
前半の勢いとかカンフーアクションのシーンとか、メタバース的な設定がめっちゃ面白かった。だけど母と娘というテーマ性に差し掛かった後半はややテンポが失速気味ではある。特にそのテーマ性が自分には刺さらず、劇場で観た時はぽかんとなってしまった。もう一回観直したら、また評価が変わるかもしれない。
ベイビーわるきゅーれ
近年稀に見る邦画でめちゃくちゃ面白いアクション映画じゃないすか。ヒロイン2人の掛け合い、テンポ、アクションの爽快感などどれをとっても素晴らしすぎて、正直あまり期待せずに観たら度肝を抜かれてしまった。かわいさの中に、ちゃんとノワールとしての矜持もある独特の雰囲気のすごい映画だった。
シン・仮面ライダー
すみません、個人的に庵野秀明の映画は思い入れが強すぎるので評価不能です。演出周りの話で言うと、こだわりまくった左右対称のショットとか、顔面ドアップのショットとか(それに耐えうる浜辺美波の顔の造形の美しさ)、そういったシーンがとても印象的でした。
ベイビーわるきゅーれ2ベイビー
part1の方がテンポが良かった気がして、途中のバイトの件とかギャグ的な演出はいらんかな〜と。ライバル役の男性二人や前作にちょい役で出ていたサポート的な人がとてもいいキャラしていて、キャラクターの造形が本当に上手いんだなと思いました。とはいえ、アクションもコメディも引き続き面白かったので、part10まで続いて欲しい
スーパーマリオブラザーズ・ムービー
マリオファンが観たいものを全部詰め込んできた最高の映画。観終わった後にゲーム一本プレイした後のような充実感があって、大満足してしまった。ゲームのマリオって、ジャンプひとつとっても「マリオらしさ」と言うディレクションを大変な労力をかけてやっているんだろうなって言うこだわりを感じるんだけど、この映画も細部に「マリオらしさ」のこだわりを感じた。続編もぜひ作ってほしい……。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME3
今までのGOGとは一風違った雰囲気の最終作。もう一人の主人公としてロケットに焦点を当てるストーリーがとてもよくて、世代交代し継承していくことに納得感があった。終わってしまうのが悲しい、ラストに相応しい映画だった。
岸辺露伴 ルーヴルへ行く
https://kishiberohan-movie.asmik-ace.co.jp
映画原作映画としては満点に近い再現度。完全に「露伴ちゃん」がそこにいた。ただ露伴ちゃんの過去シーンが長すぎる、ここだけ邦画独特の間がたるくて耐えられんかった。とはいえ、ジョジョファンとしても納得の出来で実写化してくれて「ありがとう…それしか言う言葉が見つからない…」と思えた映画。
怪物
ちょっと、これは良すぎて、エンドロール明けてからもしばらく席から立ち上がれなかった。前半に出てくる大人が全員大っ嫌いで、すごい不愉快な映画だ〜〜と思ってました。前半の演出がミステリ映画のそれで、自分もまんまとそう思って観ていたので、後半にかけての展開に胸が痛むと同時に、してやられた!と言う感じがあります。無邪気にミステリを楽しもうとしたら、はい、そう思ったあなたは怪物です!みたいな断罪の仕方をされるというか。「自分もきっと誰かにとっての怪物なのであろうな」という気持ちを控えめに肯定してしまうしかない、と言う諦めに近い感情を、いったいどうすればいいんだろうと考えてしまう。
スパイダーバース アクロス・ザ・スパイダーバース
ちょっと、これは良すぎる(2回目)。映画表現としてアニメーション映画の枠を一個破壊したブレイクスルーな映画。絵の綺麗さとか動きとか演出とかが今ままでのアニメーション映画と違いすぎる。これをアニメと呼ぶのは違う気がする。メタバースという世界観を存分に活かして思いついた限りの演出をこれでもかとブチ込んで、色々なことをやっていてその全てがめちゃくちゃかっこいい。戦闘のテンポは素晴らしくが、ストーリーのテンポはやや中だるみ感があった。単純に画面転換が早すぎて何してるかわからないシーンとかもあって。でも、グウェンちゃんがかわいかっこいいから全て許される。続編ものと知らなくて、後半にかけての展開にどうなるんだろうとワクワクしていたらそのまま終わってえぇーーってなった。どう完結させるのかたのしみ。
君たちはどう生きるか
パヤオの説教くせ〜〜〜〜映画だと思って観に行ったら、プリミティブな心象が描かれていてパ…パヤオ…!!となって思わぬダメージを受けた感じがする。
パヤオといえば「マザーコンプレックス」とかって長年言われていて、そういった母性的な女性像を作品に投影しているけれども、齢80を超えても、その感情をむき出しにして作品に込めるのかという狂気を感じてしまった。特にヒロインの「私はあなたを産むのね」というセリフがあり、おわ〜〜っと仰け反りそうになってしまった。歳をいくつとっても幼少期のコンプレックスから解脱できないのかという絶望もあってなんともいえない気持ちになってしまう。
この作品は、おそらく宮崎駿としての「継承」を描いた作品である思う。下の世界の大叔父はクリエイターとしての自分を投影しているだろうし、作品の主人公である少年もまた幼少期だったりの自分を投影しているのだろう。大叔父から少年に下の世界を継がせる、と言う一連の流れに対して少年が取った行動、そしてその結果、下の世界(という名のジブリワールド)が崩壊する…と言う一連の流れに対して、このメッセージを受け取った残されたジブリの人たちはいったいどうするんだろう…と思ってしまった。
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